伝える、波及する

🕓 May 27, 2019 · ☕5 min read

伝える
伝わる
波及する

伝えようとすると、説明的になってしまう、疑いばかりになってしまう気がする。

同じ気持ちならば、無理に伝えようとしないでも伝わるんじゃないか。

論理で言えば、相手が知っているだろう、分かってくれるだろうって前提は著者の甘えであるとさせるけど、それは説明的な西洋由来の考え方で、日本古来の文藝の表現の多彩さってのは、表現する方も表現を受け取る方も品格が問われる。

短歌や俳句を読めたとしても、その五七五、五七五七七の中に情景や想いやストーリーを圧縮して届ける、読んだ方はそれを解凍して情景や想いを脳内で再現できるかが、問われる。

つまり分かりやすさを重視するのか、含みがある情報の濃さを重視するのかは、表現者とその受け取り手の像が違う。

理屈っぽい人に伝えるなら分かりやすさで、より感覚的な人には含みを入れて。

私がやろうとしてる、webはどちらだろう。

ここまで考えてきて、少し俯瞰できた。
私は言語で会話してるんじゃない、文化を背景とした感覚的なコミュニケーションによって会話している。

web上では、一人一人がアカウントの様なアバターの様なところから情報を重ねていくことで、そのアカウント像を成長させていく。
しかしその帰属は、使っているサービス下に限られてしまう。
ここで役に立つのがドメインの感覚だ。

自分でドメインを選んで情報を編集できる。

そっか、言語は同じでも、ドメインや文化が違うと全く理解できないことなんて多々あるじゃん。
そうか・・・だからあれだ。
どこまでも分かりやすく漂白されていた方がより多くの人に誤解を産むかもしれないけど、届けることができる。

だから堀江貴文さんとか西村博之さんとか勝間和代さんってのは、そういう文化とか文脈の流れで言葉を使っているのか。
やっと理解できたぞ。

現実として、相手の話を聞いて理解するというよりは、相手の話からその人の背景や流れを感じ取って、その上でこの人の話からどういう情景へ移動していくのかをイメージできないと、本当に文字面の情報に踊らされやすくなる。

だから文字面だけじゃ、文字面なんだ。
伝わるかどうかの核心を捉えきれていないというか、全くやろうとしてることが違う。

そっか、だから文学作品って意味不明に感じてたのか。
文化なんだ、だからそこに居続けないと読み取れないだけなんだ。
なーるほど。

苦労が好きな人は、その苦労を土台として背景的な文化として話始めるまえから決まっている。
苦労が好きな人とは、言葉にならなくても共感できる部分が大きい、その分共感できる分、新しく得られる情報は少なくなる。

全く文化や背景が違う人だと、察したり理解しようとすることが出来れば大きな情報を得ることができる。
しかしこれには感覚という曖昧な部分を通る必要がある。
全くわからないから、それを避けてしまうと、感覚も育たない。

そうか、国語の文章読解というか文章から情景を想像するのと
人が言う言葉から情景を想像するのでは、全く違う。

紙の文字の上から情景を想像するのは、それはその流れの感覚がある
ただ、人が言う言葉にはプラスして相手の表情や身振り手振り、服装や匂いなどの複合感覚からの情報がある。

小説とVRでは情報量が違う。
だから、低速回線ISDNでもWebの情報を見れている方が共感できる内容が多いかもしない。
超高速回線である人間の感覚器官があっても、横にいる人の趣味嗜好が全く違えば情報を多く共感できない。

逆に外国人旅行者でも、言葉を超えた、言葉に頼らない感覚で表現してくる人は、なんとなく伝わってくるものがある。
何を言ってるかわからないけど、ワクワクしてて笑顔でスマホのマップアプリを見せてきて、目的地を指差してくれれば、この人はここに行きたくて、なんかワクワクしてるんだなって伝わってくるものがある。

言葉はわかんないけど、なんか楽しそうだなってのは、伝わってくる。

笑顔は世界で通じるプロトコルなのだと、言葉ばかり重要視する人間が痛感した明確な事実だ。
明確な事実が目の前にあって、いや、体の前に、心の前にあって、笑えた。

笑った。
クソみたいに理由をこねくり回して、あれこれ思案しているのが、なんか笑えた。

そっか、笑ってこうしたいわ〜って周りに甘えれば、受け取ってくれる人はこんなにもいるんだ。
逆に言葉に凝ろうとするほど、反比例して伝わらなくなるジレンマだ。

塗り固められるウソほど、ウソだって自分から示すことになる。
隠そうとすればするほど、隠してるってもろにバレる。

そっか、旅をしてるのにワクワクしてない人ってのは迷っているのと同じなのかも。
逆にワクワクを感じてる人は、どこへ迷い込もうと笑ってこっち行きたいって甘えられる。
たぶん甘える人ほど、お世話になってる、愛されてるって実感するんだろう。

毎朝通勤、通学するのに迷ってはいないけど、どこへ行こうとしているのかわからない。
どんな旅になるのか、迷ってしまうかもしれないけど、ワクワクしてる。

どっちが迷っているんだろう。


aki
WRITTEN BY
aki
artist, walker